いまや定番となった極厚パンケーキの道具だが、そのブームを日常に定着させた立役者は間違いなく100円ショップの存在だ。株式会社大創産業が発売した厚焼き専用のシリコンリングは、SNSで瞬く間に拡散され、店頭から姿を消す社会現象を巻き起こした。追随するように株式会社セリアが展開した星型やハート型、クラシカルな丸型のバリエーションは、お菓子作りのハードルを極限まで引き下げた。
かつてプロ仕様のセルクル型といえばステンレス製が主流で、油を念入りに塗らなければ生地が外れず、熱伝導が高すぎて縁が焦げやすい難点があった。シリコンという柔軟で熱の当たりが柔らかい素材が安価に手に入るようになったことで、一般家庭の台所が一気にラボのような実験場へと進化したのだ。