パッシングとは、ヘッドライトのハイビーム(走行用前照灯)を一瞬だけ点滅させる運転操作のことです。主に前方の対向車や先行車、歩行者などに対して視覚的なシグナルを送り、ドライバー同士の意思疎通を図る目的で使われています。
操作方法は非常にシンプルです。一般的にステアリング(ハンドル)の右側(輸入車の場合は左側)に設置されているウインカーレバーを手前(ドライバー側)に指先で引くだけでハイビームが点灯し、指を離すとバネの力で元の位置に戻って消灯します。カチカチと1〜2回手前に引いて戻す動作を行うのが、一般的な車でのパッシングのやり方です。
日常の運転では「音」による意思表示としてクラクション(警笛)も存在しますが、道路交通法第54条により警笛の使用場所は危険防止のためやむを得ない場合などに限定されています。市街地でむやみにクラクションを鳴らすと違反になるだけでなく、大きな威圧感を与えてしまうため、音を出さずに視覚のみでサインを伝える手段としてパッシングが広く使われてきた背景があります。