辰巳琢郎の私生活を語る際、ファンの間で温かい眼差しを集めているのが、長女でソプラノ歌手として第一線で活躍する辰巳真理恵の存在です。高校時代に父の出演舞台を観劇したことをきっかけに声楽の道を志した真理恵は、東京音楽大学声楽科を経て同大学院を修了。数々のオペラ公演やリサイタルを成功させ、二期会会員としても高い評価を獲得しています。
バラエティ番組や音楽特番で親子共演を果たすたび、辰巳琢郎の「筋金入りの娘思い」な一面が垣間見え、視聴者を和ませてきました。幼少期からの英才教育や進路相談においては厳格な父親でありながら、彼女の自主性を何よりも尊重し、海外留学や過酷なコンクールの舞台裏では惜しみない精神的支柱となってきました。
この盤石な家庭環境を陰で支えているのが、辰巳琢郎が若き日から人生を共にしてきた医師の妻(真由美夫人)の存在です。多忙を極める医療の現場で責任ある立場を務めながら、家庭内では知的かつ合理的な対話を重んじる妻の存在が、夫の奔放な表現活動と娘の音楽家としての成長をどっしりと支えてきました。「父・母・娘がそれぞれ自立した専門領域を持ち、対等にリスペクトし合う関係性」は、芸能界の家族像としても極めて稀有なモデルケースといえます。