物理的な刺激がないにもかかわらず激しい嘔吐感が生じる場合、代表的な原因として挙げられるのが逆流性食道炎だ。加齢やストレス、暴飲暴食などによって胃と食道のつなぎ目にある下部食道括約筋が緩むと、就寝中に強酸性の胃液が食道や喉元までこみ上げる。これにより咽頭部が常に炎症を起こした状態となり、朝の歯磨きという日常の動作だけで激しい吐き気を引き起こす。
加えて見落とせないのが自律神経失調症の影響だ。自律神経は胃腸の蠕動運動や唾液の分泌、反射弓の感度をコントロールしている。現代社会における慢性的な緊張状態や自律神経失調症に直面している人は、交感神経が優位なまま朝を迎えることが多い。その結果、消化器系の動きが停滞し、口の中に歯ブラシが入るだけで胃が拒絶反応を起こしてしまうのだ。