Buono!の名を音楽史に決定づけた最大の名曲といえば、間違いなく「初恋サイダー」だろう。アコースティックギターの鋭利なカッティングと、鈴木愛理のアカペラから始まるあの衝撃的なオープニングは、どのようにして生まれたのか。
制作当時、単なるアニメソングの枠に収まらない「本物のロックトラック」を作り上げるという強い意志がクリエイター陣にあった。スタジオでのレコーディング時、冒頭のアカペラパートにおいて、あえて過度なピッチ補正を行わず、鈴木の持つ生々しい声の張りや微細なニュアンスをそのまま残す判断が下されたという。この一瞬の閃きが、10年以上経った今もYouTubeやライブハウスで歌い継がれる神曲を生み出す鍵となった。
J-POPの歴史においても、アイドルソングが持つエネルギッシュさと、本格的なオルタナティヴ・ロックの鋭利さがこれほど美しく結実した例は珍しい。