過剰とも言える演出の背景には、現在のエンターテインメント産業が抱えるビジネス構造が存在する。数億円規模の予算が投じられる大型プロジェクトにおいて、番組プロデューサーや現場を指揮する演出家にかかるプレッシャーは計り知れない。「何も起きませんでした」では済まされないのだ。
また、タレントのキャスティングにおいて強い影響力を持つ吉本興業などの大手芸能事務所と、現場を支える独立系の番組制作会社との関係性も複雑だ。事務所側の意向やタレントのイメージを守りつつ、番組としての面白さを最大化しなければならない。この狭間で揉まれる現場が、結果として「演出の過剰化」という崖の端を歩むことになる。