賃貸契約に判を押す前、スマホを開いて希望物件の住所を入力する。地図上に炎のマークが上がっていないか確かめる行為は、いまや20代・30代の部屋探しにおいて「当然の作法」となった。かつては不動産業者の口頭説明や噂話の域を出なかった心理的瑕疵(かし)の情報が、手のひらの上で可視化された意義は極めて大きい。
もっとも、2026年現在の不動産業界における受け止め方は一枚岩ではない。逆手に取ってリノベーションを施し、「訳あり格安物件」としてZ世代や外国人労働者へ積極的に訴求する野心的な事業者が現れる一方で、過剰な風評被害を恐れる既存の地主層との摩擦は激化の一途をたどっている。