ふたりの芸歴において最大の転機となったのが、2014年の『THE MANZAI』優勝だ。40代半ばにして掴んだ漫才日本一の栄冠は、お笑い界の歴史に深く刻まれた。すでに朝夕の帯番組や劇場で実績を積んでいたベテランが、リスクを背負ってコンテストに挑み、頂点に立った瞬間だった。
この大勝負の裏にも、妻たちの揺るぎない後押しがあった。勝敗に一喜一憂せず、普段通りに朝食を用意し、普段通りに送り出す。家庭という絶対的なセーフティネットがあったからこそ、ふたりは舞台上で肩の力を抜き、円熟味あふれる掛け合いを披露できたのだ。家族の支えは、彼らの職人芸を極限まで研ぎ澄ます原動力となった。