鬼道の中でも九十番台は、詠唱・霊圧・精神力のすべてにおいて選ばれし者しか扱えない神域の術だ。浦原喜助が披露した破道九十一「千手皎天汰炮」は、無数の光の弾丸を一斉に放ち、標的を周囲の空間ごと穿ち去る絶大な火力を誇る。しかし、この技の真価は単なる「破壊力」だけには存在しない。
対峙したのは、崩玉と融合し人知を超えた進化を遂げつつあった藍染惣右介である。浦原は、真っ向からの力押しでは藍染を滅ぼし切れないことを百も承知していた。だからこそ、千手皎天汰炮の凄まじい光熱と爆煙をあえて生み出し、相手の視界と霊圧感知を極限まで遮断。その爆風の裏に重層的な封印術を密かに滑り込ませるという、鬼才ならではの二段構えを仕掛けたのだ。圧巻の火力を戦術的トラップの「目くらまし」として成立させる思考体力こそ、浦原喜助という男の恐ろしさと言える。