2026年の天神は、まったく別の顔を見せている。最新の高層ビル内に誕生したフードホールは、洗練された内装とスマート決済を武器に、多忙なビジネスパーソンや観光客を飲み込む。洗練されたモダンアジアンや、洗練を極めたイノベーティブ・フレンチのランチセットが2,000円〜3,000円台で飛ぶように売れていく。
その一方で、ビルから歩いてわずか3分の路地裏に足を踏み入れると、築70年の古民家をリノベーションした隠れ家が牙を剥く。昭和の佇まいを残した狭小空間で出されるのは、削りたての鰹節と朝採れ卵だけを極めた究極の定食。1,000円札1枚で味わえる圧倒的な密度の体験だ。この「超モダン」と「超ローカル」のコントラストこそが、現在の福岡の昼を面白くしている。