本楽曲が爆発的な認知度を獲得した起爆剤として、広瀬すず出演JR SKISKI CMの存在は外せません。「答えは雪に聞け。」というキャッチコピーとともに、ゲレンデで雪まみれになりながらピュアな視線を投げかける広瀬すずの瑞々しい演技は、社会現象的なインパクトを残しました。マフラーを巻き、切なげに微笑む彼女の姿と『ヒロイン』のサビメロディの親和性は凄まじく、多くの人々の脳裏に「雪のCMといえばヒロイン」という絶対的な方程式を刻み込みました。
ここでネット上において長年頻発しているのが、back number ヒロイン MV出演女優をめぐる誤認です。検索エンジンでは今なお「ヒロイン MV 女優 誰」といったワードが上位に浮上しますが、客観的な事実として、公式ミュージックビデオに女性キャストは一切出演していません。
映像作家・大久保拓朗が監督を務めた公式MVに映し出されるのは、スタジオ内に降らせた人工雪のなかで、寒さに息を白く染めながら演奏するback numberのメンバー3人の姿のみです。「CMに出演していた広瀬すずがMVにも出ているはずだ」という思い込みや、他のback number作品(『クリスマスソング』や『高嶺の花子さん』など女優をフィーチャーしたMV)との記憶の混同が、この誤解を生み出す要因となっています。
あえて特定の女優をMVに登場させなかった演出意図について、関係者の間では「聴き手それぞれが胸の内に抱く『自分だけのヒロイン』を映像によって限定させないための選択だったのではないか」と語られています。主役の顔を描かないことで、リスナーは自分自身の過去の恋人や片想いの相手を投影できるよう設計されているのです。