なぜ、平穏な道路が何の前触れもなく崩れ落ちたのか。土木工学の専門家および八潮市・埼玉県土木事務所による初期調査の結果、主因として浮上したのが地下に埋設された下水道管の破損と、それに伴う土砂の流出(地下空洞化)です。
地下深くを通る下水道管は、長年の使用に伴い硫化水素ガスなどの影響でコンクリートの内壁が腐食します。継ぎ目や亀裂から漏れ出た水が周囲の土砂を徐々に洗い流し、目に見えない地下に数メートル規模の「空洞」を作り出します。アスファルトの舗装層だけが辛うじて表面張力のように持ちこたえていたところへ、トラックの重量が加わったことで一気に踏み抜き、大崩落に至ったという力学構造です。
特に今回の現場地下に埋設されていた下水道本管は、敷設から40年以上が経過した老朽管であったことが判明しています。雨水や地下水位の上昇が地盤の緩みを加速させたとみられ、単なる偶発的な事故ではなく、長年蓄積された構造疲労が臨界点に達した必然の結果であったといえます。