キリストンバーは、1990年代から2000年代にかけて日本で流行した「テーマ型飲食店」ブームの一翼を担った。この時期、忍者屋敷レストラン、戦国時代居酒屋、牢獄バーなど、様々な非日常体験を提供する店舗が次々と誕生した。
これらの店は、単に食事を提供する場所ではなく、「体験」を売る場所として機能した。インスタグラムが登場する以前から、日本の消費者は「物語性のある空間」に価値を見出していたのだ。
キリストンバーが他のテーマ店と一線を画すのは、その文化的挑発性だ。忍者や戦国時代は、日本人にとって「自国の歴史」であり、自由に再解釈できる対象だ。しかし、キリスト教という他文化の宗教的シンボルを商業利用することには、より複雑な文化的力学が働く。