あいみょんがメジャーデビューを果たす前年、2015年5月20日にリリースしたインディーズ1stミニアルバム『tamago』。鮮烈な衝撃を与えたデビュー曲『貴方解剖純愛歌 〜死ね〜』とともに収録された『私に彼氏ができない理由』は、初期のあいみょんを象徴する屈指のキラーチューンです。
リスナーの間で長年議論されてきた「この楽曲は実話なのか」という疑問に対し、当時の音楽雑誌や特番インタビューでの本人の証言を紐解くと、極めて明快な答えが浮かび上がります。あいみょんは当時、「10代後半から20代前半にかけて自分が感じていたコンプレックスや、女子会で飛び交う友人たちの生々しい愚痴をそのままノートに書き殴った」と明かしています。100%のノンフィクションという枠を超え、自身の痛烈な実体験と鋭い人間観察が濃密に交差した「等身大のリアリズム」こそが、この楽曲の真の正体です。
あいみょんのインディーズ時代は、兵庫県西宮市から上京し、自らの音楽性でシーンを切り拓こうともがいていた時期でした。美化されたJ-POPのラブソングに対する強烈なアンチテーゼとして、「彼氏ができない自分」の泥臭い感情をあえてユーモラスかつ痛烈に歌い上げるアプローチは、彼女の類まれな作詞センスの原点と言えます。