なぜ日本語にはこれほどまでに自動詞と他動詞のペアが発達したのでしょうか。言語学者たちの間では、日本文化が持つ「自然との調和」や「責任の所在をあえて曖昧にする知恵」が関係していると指摘されています。
西洋的な思考では「人間が自然やモノを支配し、動かす」という他動詞的なアプローチが好まれる傾向があります。それに対し、日本語は「物事が自然とそういう状態になる」という自動詞的な世界観を好みます。「予定が決まりました」という表現も、誰が決めたかを明確にせず、状況が自然に落ち着いたかのように伝えることで、人間関係の摩擦を避けるクッションの役割を果たしているのです。