沖縄出身の元世界王者・具志堅用高氏の温かみある人柄は、まさにこの土地の呑み屋が持つフレンドリーな空気感そのものを体現している。「カリー!(乾杯)」という威勢の良い掛け声とともに、隣り合った見知らぬ同士がいつの間にか笑顔で語り合う場面は、沖縄の酒場では決して珍しい光景ではない。
この温もりを支えているのが、島人たちの生活に深く根差した泡盛だ。タイ米と黒麹菌を用いて作られるこの蒸留酒は、水割りはもちろん、シークヮーサーを絞ったりソーダ割りにしたりと、飲み方のグラデーションも豊富だ。度数が高いと思われがちだが、じっくりと熟成された古酒のまろやかさは一飲の価値がある。酒と肴を挟んで人と人が結びつく独特の居酒屋文化こそが、訪れる人々を虜にして離さない最大の理由なのだろう。