しいたけの扱いを決定づける最大の分岐点は、その「栽培方法」にあります。現在流通しているしいたけは、衛生管理が行き届いた室内で短期間に育てられる「菌床(きんしょう)栽培」と、山林の自然環境でクヌギやコナラの原木に菌を植えて1〜2年かけて育てる「原木(げんぼく)栽培」の2種類に大別されます。この両者の特性を把握していなければ、適切な下処理は判断できません。
表から明らかなように、スーパーの店頭に並ぶ一般的なしいたけは、ほぼすべてが菌床栽培です。空調とフィルターで管理された室内で、殺菌されたオガクズブロックから生えてくるため、土壌細菌や農薬の心配は皆無と言えます。
一方で、直売所や秋の特売で見かける「原木しいたけ」は、豊かな自然の中で育つがゆえに、樹皮の隙間に小さな虫(キノコバエの幼虫など)が入り込んでいるケースがあります。この場合のみ、例外的なしいたけ虫出し方法を適用します。
方法は極めて簡単です。水1リットルに対して塩大さじ1(約1.5%濃度)を溶かしたぬるま湯を用意し、ヒダを下に向けてしいたけを浮かべます。浸水時間は10分から最長15分以内に留めてください。浸透圧の刺激によって微細な虫が水中に抜け落ちます。虫出しが完了したら、ただちに引き上げ、キッチンペーパーで押し込むようにして水気を限界まで吸い取ることが、味を落とさない絶対条件です。