視覚が胃袋と感情を支配するという事実は、ドキュメンタリー番組の最高峰でも印象的に表現されている。Netflixの世界的ヒット作『シェフのテーブル』では、世界トップクラスのシェフたちが料理の色合いや照明の明暗を計算し尽くし、ダイニングにいるゲストの感性を揺さぶる瞬間を巧みに捉えている。
料理人が皿の上に描く色彩のコントラストは、食べる者の食欲を爆発させることもできれば、静寂と抑制へと導くこともできる。映像の中で美しく映し出される一皿のカラーバランスは、視覚刺激がいかにダイレクトに人間の脳内報酬系を刺激するかを饒舌に物語っている。