1980年代半ば、日本社会が未曽有のバブル景気に沸くなか、テレビドラマの世界にも新しい風が吹き荒れた。それまでの泥臭い情念ドラマや刑事ものに代わり、都会の洗練された恋愛模様を描く「トレンディドラマ」の時代が幕を開けたのだ。その中心にいたのが、若き日の石田純一だった。
特に1988年に放送されたフジテレビ系ドラマ『抱きしめたい!』や、翌年の『同・級・生』での好演は、彼を瞬く間に茶の間のスターダムへと押し上げた。浅野温子や浅野ゆう子ら「W浅野」と並び、当時の都会派男女の理想像を軽やかに演じきった。スクリーンの中で見せるナチュラルな笑顔と、少し気障でありながらも嫌味を感じさせない台詞回しは、全国の若者たちのバイブルとなったのである。