アニメ版の完結を目撃した多くの視聴者が驚愕するのが、「原作漫画(全30巻)との着地点の違い」です。アニメ版がSG全日本選手権での優勝を最高到達点として締めくくられたのに対し、河合克敏氏による原作漫画の物語はその先、ボートレース界の頂上決戦である「SG賞金王決定戦(現:ボートレースグランプリ)」まで描かれています。
原作漫画のクライマックスでは、ボートレース住之江を舞台に、1年間の獲得賞金上位12名のみが集う極限の戦いが展開されました。ここで読者を震撼させたのが、決勝戦におけるレースの勝敗です。アニメで波多野の後塵を拝したライバル・洞口雄大が、自らの信条と技術を結集させ、波多野や榎木らを抑えて賞金王の座に君臨するという衝撃の結末を迎えます。
波多野憲二は破れこそしたものの、プロ競艇選手としての誇りと技術のすべてをぶつけ合い、清々しい充実感とともに水面を後にしました。「主人公が最後の最後に敗れ、ライバルが栄冠を掴む」というこのリアリズムこそが、競艇という過酷なプロスポーツの真髄を物語っています。