彼の原点を語るうえで外せないのが、昭和の終わりに街頭パフォーマンスで若者たちを熱狂させた劇男一世風靡の時代だ。路上で汗を流し、身体ひとつで表現をたたき込んできた経験は、彼の骨格を形作る確固たる土台となった。そこからテレビドラマの世界へと飛び出し、コミカルな青年から凄みのある男までを縦横無尽に演じ分ける器用さを見せつける。
やがてNHKの大河ドラマをはじめとする数々の重厚な作品で圧倒的な存在感を放つようになると、彼の評価は決定的なものとなった。野性的なエネルギーと繊細な情念が同居する独特の演技スタイルは、こうして長年の泥臭いキャリアの中で研ぎ澄まされていったのだ。