1995年、後藤久美子は渡仏し、ジャン・アレジとの生活を本格的にスタートさせた。ここで多くの人々を驚かせたのが、二人が法的な婚姻関係を結ばず「事実婚」という形式を選んだことだ。日本ではまだ馴染みが薄かったこの選択に対し、当時のメディアでは様々な推測が飛び交った。
フランスをはじめとする欧州では、個人の自立や価値観を尊重したライフスタイルとして事実婚が一般的である。形式的な手続きや戸籍に縛られることなく、互いに独立した人間として愛と尊敬を捧げ合う——それが二人の導き出した答えだった。婚姻届という紙一枚の証明に頼らずとも、長年にわたり固い絆で結ばれ続けている現在の姿は、まさに国際結婚やパートナーシップの理想形と言えるだろう。