「日本は安全」という神話は、サイバー空間において完全に崩壊している。むしろ、膨大な富と古いシステムが混在する日本は、世界中の攻撃者にとって最も旨味のある「イージーゴール」と見なされている。
最大の理由は、長年指摘されながらも進まないITインフラの老朽化と、致命的なセキュリティ人材の不足だ。多くの国内企業がいまだに数年前の古いOSやレガシーシステムを延命して使っており、一度内部ネットワークに侵入を許せば、横移動(ラテラルムーブメント)を止める術を持たない。
さらに、法制度の壁も大きく立ちはだかる。欧米諸国が「能動的サイバー防御(アクティブ・サイバー・ディフェンス)」を法制化し、脅威の兆候段階で相手のサーバーへアクセス・無力化する体制を整える中、日本は議論の域を出ず、後手に回り続けている。この法的・技術的な「無防備さ」が、海外の犯罪組織を惹きつけてやまない。