1杯数万円を超えるような超稀少豆は、私たちが普段利用する一般的なスーパーや街の焙煎店に並ぶことは一切ない。その流通ルートは、ごく限られた閉鎖的なオークションとダイレクトトレード(直接取引)に特化している。特にパナマやコロンビアのトップ農園が開催するプライベートオークションでは、オンライン上で秒単位の価格更新が行われ、世界中の商社や個人投資家、ハイエンドカフェのオーナーが激しい争奪戦を繰り広げる。
こうした競り合いの裏側は、YouTubeの専門チャンネルや海外の食文化ドキュメンタリーでも度々特集され、オークション開始から数分で落札価格が跳ね上がる緊迫感が生々しく伝えられている。無事に競り落とされた超稀少豆は、温度と湿度が厳重に管理された特別な輸送ラインで空輸され、顧客名簿を持つ限定サロンや会員制クラブへ直接納品される。一般の市場には一切流通しないこの秘匿性こそが、豆の稀少価値をさらに高める要因となっている。