坂口杏里の実父の名は田山恒彦氏。かつて不動産会社やゴルフ場開発を手掛け、バブル経済の絶頂期に巨万の富を動かしていた実業家である。1986年、当代きっての人気女優だった坂口良子さんと結婚した際、世間は「絵に描いたようなセレブ婚」と祝福した。長男、そして1991年には長女の杏里が誕生し、一家は世田谷の豪邸で何不自由ない生活を送っていた。
だが、その砂上の楼閣はあっけなく崩れ去る。バブル崩壊とともに田山氏の事業は暗転。残されたのは、約40億円とも言われる巨額の借金だった。田山氏は妻である良子さんを連帯保証人にしたまま姿を消す形となり、1994年に離婚が成立。杏里が物心つく前の出来事である。父親の温もりを知る間もなく、家庭は崩壊の極地に立たされていた。