公園を訪れたら外せない最大のハイライトが、歴史的価値の高い建築と資料を鑑賞できる文学エリアです。蘆花恒春園の見どころは単なる自然観察にとどまらず、近代日本文学の深奥に触れられる点にあります。
徳富蘆花旧宅の母屋は、当時の農家の造りをそのまま生かした茅葺き屋根が特徴的です。執筆活動の拠点となった秋水書院には蘆花が愛用した机が置かれ、ガラス越しに見学が可能です。質素でありながら温かみのある木造空間は、自然とともに生きた蘆花の美意識を雄弁に物語っています。
敷地内に併設された「蘆花記念館」では、直筆の原稿や書簡、愛用の文具、トルストイとの文通記録など、ファン垂涎の展示内容が並びます。蘆花の波乱に満ちた生涯や愛子夫人との絆を分かりやすく解説したパネル展示もあり、事前の知識がなくても深く楽しめる工夫が凝らされています。旧宅エリア・記念館ともに入館料無料で鑑賞できる点も大きな魅力です。