従来の時代劇において、濃姫は「早世した悲劇のヒロイン」あるいは「信長の陰に隠れた控えめな女性」として描かれる傾向が強かった。しかし、近年のメディア作品はそのイメージを劇的に塗り替えている。
NHK大河ドラマ『麒麟がくる』では、父・道三の政治的野望を理解し、信長を後押しする理知的な策士としての濃姫像が話題となった。さらに東映70周年記念映画『レジェンド&バタフライ』では、綾瀬はるかが自ら薙刀を振るい、信長と対等にぶつかり合う強い意志を持った女性を熱演。従来の「従順な戦国の妻」というステレオタイプを打破した。
これらの作品は、単なる歴史の再現にとどまらない。過酷な時代を自らの意志で駆け抜けた一人の人間としての濃姫を提示し、現代の視聴者に強い共感を呼び起こしている。