情報化が進む現代において、SNSやネット掲示板では時として実態と乖離した言説が散見されます。防災の観点から即座に是正すべき代表的な誤解が「大津波警報の画面を確認してから逃げれば間に合う」という思い込みです。
気象庁が発令する津波警報は極めて迅速ですが、それでも地震発生から第1報の発表までに概ね2〜3分を要します。しかし、震源断層の直上に位置する静岡の沿岸部では、警報発令の電波が届いた瞬間にはすでに引き波が始まり、第1波が堤防を乗り越えている可能性があるのです。
過去の安政東海地震津波の記録でも、地震の揺れとほぼ同時に海面が盛り上がり、住民が着の身着のままで裏山へ駆け上がった様子が生々しく残されています。「揺れを感じたら、警報を待たずに即座に高い場所へ移動する」という「津波てんでんこ」の原則は、数分単位の攻防を強いられる静岡県において唯一無二の鉄則です。