作品に宿る圧倒的なリアリティは、徹底的な現場主義から生み出された。監督をはじめとする制作陣は、実際の東京とロンドンの街並みで数ヶ月に及ぶロケを敢行。合成技術に頼らず、現地の風や光、喧騒をそのままカメラに収めることにこだわった。
現場では、時差を利用したリアルタイムの遠隔撮影という異例の撮影手法も試みられた。日本のキャストが深夜の渋谷で演技をするのと同時に、ロンドンのキャストが夕暮れのテムズ川沿いで応答する。通信のわずかなタイムラグすらも演技に取り込むことで、スクリーン上に真実の距離感を描き出すことに成功したのだ。