読者が最も直面する疑問である「国保と社保どっちが得か」という問いに対しては、世帯構成と所得水準によって答えが180度分かれます。決定的な分かれ目となるのが、保険料の計算ロジックと扶養制度の有無です。
社会保険では、4月から6月の総支給額を基に決まる「標準報酬月額」に保険料率(協会けんぽ東京支部の場合、介護保険非該当で約9.98%前後)を掛け、それを2で割った金額が個人の負担額になります。特筆すべきは社会保険の扶養条件とメリットです。年収130万円未満(60歳以上や障害者は180万円未満)かつ被保険者の年収の2分の1未満である配偶者や子ども、親などを被扶養者として加入させることができ、何人扶養に入れても世帯全体の健康保険料は1円も上がりません。
対照的に、国民健康保険料の計算方法は「前年の総所得金額等」を基に計算される所得割に加え、加入者1人あたりにかかる均等割、世帯ごとに定額でかかる平等割などを合算して算出されます。国保には扶養という概念が存在しないため、収入のない乳幼児や高齢の親であっても、人数分の国民健康保険の扶養家族保険料(均等割額)が確実に加算されます。
具体的な社会保険料シミュレーション詳細を見てみましょう。例えば東京都内在住、40歳未満、年収450万円(月給37万5,000円)、配偶者(無収入)と子ども2人を扶養している世帯を想定します。
社会保険の場合、健康保険料は約1万8,700円/月(年額約22万4,000円)。扶養家族が3人いても追加負担はありません。一方、同額の所得を持つ個人事業主が国民健康保険に加入した場合、所得割に加えて世帯主と家族3人分の均等割(1人あたり年約4万〜5万円前後)が加算され、年間保険料は自治体によって約45万〜55万円に達します。この比較だけでも、扶養家族を持つ世帯においては社保の優位性が極めて顕著であることがわかります。