世間は彼を「シンデレラおじさん」と呼ぶかもしれない。だが、長年彼の仕事を見続けてきた者からすれば、その評価はあまりに浅はかだ。1990年代から舞台やドラマで愚直にキャリアを積み重ね、評価されつつも決定的な代表作に恵まれない焦燥感を抱えていた時期は決して短くなかった。
主役であろうと脇役であろうと、与えられた役柄の背後にある「人生」を徹底的に掘り下げて演じるスタンス。若手が台頭し時代劇の枠組み自体が狭まる中でも、彼は愚直に身体を鍛え、刀を磨き続けてきた。2026年の今、開花した大輪の花は、気まぐれな幸運などではなく、四半世紀におよぶ執念が手繰り寄せた必然の結実なのだ。