ワクチンの真価はどこにあるのか。厚生労働省の研究班が発表している疫学調査によると、健康な成人における発症予防率は約40%〜60%と報告されています。数字だけを見ると「半分程度しか防げないのか」と感じるかもしれませんが、公衆衛生上この数値は集団感染の波を大幅に抑え込む極めて強力な効果を持ちます。
特筆すべきは、発症そのものよりも入院や死亡リスクを抑える重症化予防効果の高さです。高齢者施設や基礎疾患を持つ患者を対象とした研究では、ワクチン接種によって肺炎などの合併症による入院リスクが約30%〜50%、死亡リスクが約80%減少したという確固たるデータが示されています。命を守る防壁としての役割こそが、この医療介入の本質です。