SR400は単なる移動手段ではない。自由な表現を受け止める巨大なキャンバスだ。
1978年の発売から2021年のファイナルエディションに至るまで、基本的な骨格を変えなかった稀有な名車である。空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒エンジン。その造形は極限までシンプルだ。水冷エンジンのようなラジエーターや張り巡らされたホース類が存在しないため、フレーム内部に豊かな空間が生まれる。
この「空間の美」こそが、ブラットスタイルの手法と完璧に噛み合う。細身のダブルクレードルフレームは加工がしやすく、エンジンの存在感をダイレクトに引き立てる。キックスタートのみという潔い割り切りも、ヴィンテージ感を重視するビルダーにとって最高の味付けとなった。