青森市内で加速する商業施設の撤退劇。その背景には、複合的かつ構造的な要因が絡み合っている。地方における小売業の事業環境は、ここ数年でかつてない厳しさに直面した。
東奥日報社による地域経済リポートでも指摘されている通り、郊外型大型ショッピングモールへの顧客流出と、スマートフォンひとつで翌日には荷物が届くネット通販の普及は、中心市街地の購買力を根底から吸い上げた。わざわざ街中へ出向き、駐車場代を払って買い物をする動機が急速に薄れてしまったのだ。
追い打ちをかけたのが、記録的なエネルギー価格の高騰と仕入れコストの上昇、そして深刻な人手不足である。広い売り場と多くの従業員を抱える大型店舗ほど、維持コストの急膨張に耐えきれなくなる。耐震基準を満たすための大規模改修費用や老朽化対策を前に、巨額投資を諦めて撤退の道を選ぶ事業者が続出するのも無理からぬ現実だ。