第二次世界大戦が終結した1946年、アメリカン ニードルはスポーツビジネスの姿を永久に変えるアイデアを思いつく。当時、ベースボールキャップは選手たちがグランドで着用する「用具」であり、一般のファンが購入して街で被るという習慣は存在しなかった。
アメリカン ニードルの経営陣は、地元のプロ野球チームであるシカゴ・カブス(Chicago Cubs)のオーナー陣に直接掛け合った。「選手と同じロゴが入ったキャップを、本拠地リグリー・フィールドのスタンドでファンに販売させてほしい」と。
実験的に持ち込まれたキャップは、発売初日に即完売した。スタジアムに詰めかけたファンは、自らのチームへの忠誠心を示すシンボルとして競って帽子を買い求めたのだった。この成功を目撃した他のMLB(メジャーリーグベースボール)チームも次々と契約を結び、現代へと続く巨大なスポーツライセンス商品市場が誕生した。