皮膚に現れるダニ関連の湿疹は、原因となるダニの種類によって発症メカニズムも見た目の特徴も大きく異なります。室内で人を刺す代表格である「ツメダニ」「イエダニ」、屋外に潜む「マダニ」、そして刺さずにアレルギーを引き起こす「ヒョウヒダニ(チリダニ)」の4タイプを正確に識別することが的確な対処の第一歩です。
ツメダニによる湿疹は、赤く盛り上がった直径0.5〜1cm程度の硬い発疹(丘疹)が特徴です。ツメダニ自身は人の血を吸うのではなく、他の小昆虫を捕食する際に誤って人を刺し、体液を吸うため、中心部に微小な刺し口(水疱や点状の赤み)が確認できることが少なくありません。刺されやすい部位は、脇腹、太ももの内側、二の腕の内側など、皮膚が柔らかく衣服に覆われた部分に集中します。
イエダニの刺され跡は、ネズミや鳥類に寄生するダニが宿主を失って人を吸血した際に生じます。ツメダニ以上に猛烈なかゆみを伴い、鮮紅色の発疹が数箇所〜数十箇所にわたって集中的に現れる傾向があります。場合によっては中央に小さな水ぶくれ(水疱)を形成し、強い痛がゆさが数日間続きます。
マダニによる咬傷は、室内ダニとは全く性質が異なります。草むらや山林で肌に取り付いたマダニは、口器を皮膚深くに突き刺して数日から10日以上吸血し続けます。吸血中のマダニは小豆大〜大豆大にまで巨大化し、皮膚に黒いイボが付着しているように見えます。無理に引き抜くと口器が皮膚内に残り、重度の肉芽腫や感染症を引き起こすため、自力で取らず皮膚科を受診しなければなりません。
一方、刺されないのに皮膚全体にカサカサしたかゆみや湿疹が広がる場合は、ヒョウヒダニの死骸やフンを原因とするアレルギー性皮膚炎が疑われます。こちらは局所的な赤い斑点ではなく、アトピー性皮膚炎のような広範囲の乾燥・赤み・慢性的なかゆみとして現れます。