観光客が最も混同しやすいのが「おはらい町」と「おかげ横丁」の地理的・歴史的関係です。ネット上の口コミでも両者が同一視されがちですが、構造を正しく把握することで現地での移動効率が劇的に向上します。
「おはらい町」とは、宇治橋前から五十鈴川沿いに約800メートル続く通り全体の歴史的名称です。平安・鎌倉期から続く鳥居前町であり、かつて御師(おんし)と呼ばれる案内人が全国からの参拝客をもてなした館が立ち並んでいた幹線道路です。
一方の「おかげ横丁」は、1993年(平成5年)の第61回式年遷宮に合わせ、赤福が中心となっておはらい町の中ほど(約4000坪の敷地)に開いた複合商業エリアです。江戸から明治期の伊勢路に存在した妻入り木造建築を移築・再現し、電柱を地中化するなど徹底した景観整備が行われました。つまり、大きなメインストリート(おはらい町)の途中に、テーマパークのように広がる独立した区画(おかげ横丁)が組み込まれているという構造です。
おかげ横丁のシンボルである「常夜燈」や「太鼓櫓(たいこやぐら)」、郷土玩具店、工芸品店などはこの横丁敷地内に集中しており、路地裏のような情緒ある街並みを楽しむことができます。