かつて「大都市圏に比べて引き上げペースが遅い」と言われた福岡だが、ここ数年の急激な改定速度は誰もが想像しなかったレベルに達している。すでに大台を超え、2026年の改定では時給1,100円の大台を意識した攻防が繰り広げられている。スーパーのレジ打ちや飲食店のホールスタッフの求人票を眺めれば、法定最低賃金ギリギリの募集などほとんど存在しない。
「時給1,000円を超えたときは『ようやくか』と思ったけれど、今の物価高じゃ全然足りない。電気代も食品も上がっているから、時給が50円上がっても手取りの伸びを実感できない」
福岡市博多区のスーパーでパートとして働く40代女性の言葉は切実だ。実質賃金のマイナス傾向が長期化したダメージは大きく、数字上の賃上げが生活の余裕に直結しないモヤモヤ感が広がっている。