原作者の石ノ森章太郎と制作の東映株式会社、そして石森プロが創り上げた世界観は、極めて深遠で孤独なものだった。主人公の本郷猛は、悪の秘密結社ショッカーによって意に反して改造された「改造人間」である。自らの異形に苦悩し、涙を流しながらも、人類の自由のために戦い続ける。この悲劇性こそが、物語に重厚な陰影を与えた。
藤岡自身も、石ノ森から受け取ったメッセージを愚直なまでに守り続けてきた。正義とは何か、力を持つ者の責任とは何か。それは後年のあらゆる特撮ヒーロー作品が手本とすべき道標となり、暴力ではなく「愛と勇気」を伝えるための哲学として結実している。