益子の改革を精神的・実践的に支えてきたのが、夫であり元プロロードレーサーの山本雅道だ。夫婦で自転車イベントの企画や地域振興に取り組む中で、二人は競技の枠を超えたスポーツの本来の価値を再発見していった。
アスリートセカンドキャリアという課題は、競技を引退した多くの元選手たちを長年悩ませてきた。現役時代の知名度だけに頼るタレント活動ではなく、社会に具体的な価値を提供する事業家・社会活動家へと転身を遂げた益子の姿は、後進のアスリートたちにとって輝かしい道標となっている。
山本とともに風を切り、地域の人々と触れ合う中で培われた「スポーツを楽しむ」というフラットな視点が、怒りのない指導法というイノベーションを生む原動力となったことは間違いない。