ネット上の掲示板やSNSでは、閉店の一報直後から「西友は完全にこの地域を捨てたのか」「跡地はただの分譲マンションになってスーパーは二度と戻らないのか」といった悲観的な言説が飛び交いました。しかし、不動産開発の構造的実態と船橋市の都市計画規制を精査すると、そこにはネットの噂とは異なる幾重もの盲点が存在します。
まず検証すべき誤解は、「西友の撤退=商業地の完全消滅」という思い込みです。かつての昭和型総合スーパー(GMS)の多くは、広大な自社保有地または長期定期借地権の上に建っていました。敷地面積が数千平方メートルにおよぶ第一種住居地域や近隣商業地域の広大区画において、すべてを純粋な居住専用マンションにしてしまうことは、デベロッパー側にとっても販売単価や街の付加価値の観点から得策ではありません。
実際、近年の首都圏郊外における北習志野 商業施設 再開発の潮流を見渡すと、老朽化した総合スーパーを解体した後に、低層階(1階〜2階)に中規模食品スーパーやドラッグストア、クリニックモールを誘致し、上層階(3階以上)を分譲レジデンスとする「商住一体型複合タワー・レジデンス」へと衣替えする手法が標準化しています。
「新北習志野店跡地のように、道路付けが良くバス通りに面した平坦なまとまった土地は、船橋市内でも極めて希少な一等地です。食品スーパー各社は今なおテナント出店意向を強く持っており、完全な住宅街化ではなく、日常利便施設を足元に組み込んだ再開発計画が現実的な着地点となります」(大手都市デベロッパー開発担当者)
したがって、「スーパーが消えて二度と食品が買えなくなる」というネット上の極端な悲観論は、実態の半分しか捉えていません。問題は「いつ、どのような業態で生活インフラが再建されるか」というタイムラグにあるのです。