ドル円相場の背後で巨大な舵を取るのが、日米の中央銀行トップだ。日本銀行の植田和男総裁と、米国連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長。二人の発言や政策スタンスの微妙な変化が、日々為替モニターの数値を激しく揺さぶっている。
植田総裁率いる日本銀行が金融政策の正常化に向けた追加利上げのタイミングを模索する一方で、パウエル議長が指揮を執る連邦準備制度理事会は米国のインフレ抑制と雇用情勢のバランスを注視している。日米の金利差が容易に縮まらない構造が、ドルを買って円を売る動機を強固なものにしているのだ。
中央銀行のシグナル一つで1ドル当たり数円の急変動が起きる。25ドルの商品を購入するタイミングがほんの数日ずれるだけで、数十円から数百円の差が生まれる背景には、世界最高峰の金融政策の駆け引きが存在する。