空間の広がりを感じる要素は、床面積の広さ以上に「部屋に入った瞬間の視線の抜け(フォーカルポイント)」に依存します。建築士が実践するレイアウトの基本は、ドアを開けた正面の対角線上に背の高い障害物を置かない設計です。
リビングの主役となるソファとダイニングテーブル、そしてテレビボードの位置関係には厳密な距離計算が必要です。特にテレビボードの配置は、窓からの反射光を防ぐと同時に、ソファからの視聴距離として画面高さの約3倍(4Kテレビなら約1.5倍)の距離を確保しなければなりません。テレビを部屋の角に斜め配置してしまうと、背後に大きなデッドスペースが生じて実質1畳分近くの空間を浪費することになります。
また、家具の高さ(アイレベル)のコントロールも欠かせません。脚付きで床面が多く見えるデザインのソファや、背もたれの低いローダイニングセットを採用することで、天井までの空間が広く感じられ、同じ20畳でも体感面積が1.2倍程度に拡張されたような開放感を得ることができます。