初夏の紫陽花、そして秋のコスモス。般若寺の四季は、境内を圧倒的な色彩で染め上げる。中でも近年、訪れる人の心を捉えて離さないのが、境内に配された透明なガラスボールの装飾だ。
水に浮かぶ可憐な花々は、陽の光を受けてキラキラと輝く。この取り組みは、副住職の自由な発想から生まれた。レンズ越しに切り取られた幻想的な風景は、またたく間に世界中へ拡散。だが、これは単なる映えを意識した演出にとどまらない。仏教の世界観である「曼荼羅」を、花と光を用いて現代的に表現する試みだ。訪問者はファインダーを覗きながら、自然と仏教美術が織りなす静謐な世界へ引き込まれていく。