長池公園のランドマークとして君臨する長池見附橋。そのルーツは、大正2年(1913年)に建設された旧四谷見附橋にまで遡る。ネオ・バロック様式の意匠を取り入れた美しい装飾灯や鋳鉄製の高欄は、当時の先進的な東京の姿を現代に伝える貴重な土木遺産だ。
道路の拡幅に伴い解体される運命にあったこの歴史的建造物を、八王子の豊かな緑の中に再現した決断が見ごとというほかない。かつて四谷の街で人々の交差点だった橋が、今は姿を変え、谷戸(やと)の池を渡る優雅な遊歩橋として第二の人生を歩んでいる。夕暮れ時、橙色の光が橋のアーチを染める瞬間の美しさは圧巻。写真愛好家たちがこぞってシャッターを切るのも納得の情景だ。