先端技術開発型企業の宿命として、同社は上場以来、巨額の研究開発費と販管費が利益を圧迫し続ける構造に苦しんできた。だが、直近の数値推移を見ると、積み上げてきた特許群や製造ノウハウが知的財産(IP)ライセンスや高付加価値なカスタム製品の売上として実を結び始めている。これは単なる一時的な売上増ではなく、製品ミックスの質的転換を示唆している。
自社工場とファウンドリ委託を柔軟に組み合わせる製造体制のもとでは、出荷量の増加がそのまま粗利益率のダイレクトな向上につながる。今期見られた歩留まりの改善は、固定費の比率を相対的に低下させ、損益分岐点売上高を引き下げる効果を生み出している。過去のR&D投資がバランスシートを痛める重荷から、利益を生み出すエンジンへと入れ替わる分岐点に我々は立ち会っているのかもしれない。