だが、手放しで喜べる状況ばかりではない。人為的な開発による生息地の分断や、ダニが媒介する疥癬(かいせん)症の蔓延、そして激化する異常気象が野生個体群の生存を脅かし続けている。
特に生息域が極めて限られているキタトシジウォンバットなどの希少種においては、遺伝的多元性の低下が懸念されている。オーストラリアの保全団体と研究機関は2026年、AIを搭載した自律型ドローンによる広域モニタリングシステムと、個体毎の健康状態を非接触で追跡するセンシング技術を本格導入した。テクノロジーを駆使した迅速な保護介入が、今まさに現地で進められている。