網走の歴史を語る上で避けて通れないのが、「中央道路」の開削工事だ。明治24年、ロシアの脅威に対抗するための軍用道路として、160km以上に及ぶ極寒の突貫工事が命じられた。投入されたのは囚人たち。過酷な労働環境と悪路、病死によって「タコ部屋」以上の悲劇を生み、膨大な犠牲者を出した。
現在、館内の「監獄食堂」では、当時の囚人食を再現したメニュー(サンマやホッケの焼き魚、麦飯、味噌汁など)が提供されている。滋味深い味わいの背後にあるのは、腹を満たすことすら自由にならなかった先人たちの悲痛な叫びだ。ただのグルメ体験にとどまらない深刻な歴史の余韻が、一口ごとに口の中に広がる。