JR大津駅や京阪びわ湖浜大津駅からなぎさ公園へと続く歩道沿いには、今年も高さ約2メートルの目隠しフェンスが延々と設置される。目的は極めて明確だ。有料席を購入していない通行人が歩道や道路上で立ち止まり、群衆の滞留(雑踏事故)が発生するのを未然に防ぐためである。
過重な混雑がもたらす群衆雪崩などの事故リスクを考えれば、こうしたハード面での規制は不可避の選択と言える。警察および警備会社は大会当日、数千人規模の態勢で誘導にあたる計画だ。一方で、フェンスの登場によって「街全体で花火を楽しむ」という情緒が薄れ、無機質な鉄パイプとシートに覆われた街並みに物足りなさを覚える来場者も少なくない。安全管理と情緒維持のジレンマは、都市型巨大花火大会が直面する共通の壁となっている。