アメ横のガード下に足を踏み入れると、一瞬でアジアの熱帯夜市に迷い込んだかのような錯覚に襲われる。スパイスの強烈な香気、飛び交う多言語、そしてジュージューと音を立てる鉄板の熱気。
現在のアメ横周辺は、本場そのままの味を提供するアジア系ストリートフードの聖地だ。台湾の屋台めしとして知られる魯肉飯(ルーローハン)や小籠包、本格的な四川麻婆豆腐、さらには手軽に味わえるベトナムのバインミーまで、現地出身のシェフたちが腕を振るう。過度な日本人向けの調整をせず、本場の辛さやハーブの癖をそのまま押し出したスタイルが、逆に若い世代や本物の味を求める食通たちの心をとらえて離さない。
活気あふれる喧騒の中で食す熱々の点心と冷えたビール。これ以上の贅沢がほかにあるだろうか。